太陽光発電システム発電性能診断ネットワークによる発電量のリアルタイム計測について

 

2002.1.28 

 産業技術総合研究所(AIST)と電気安全環境研究所(JET)では、太陽光発電システムの設計支援技術・施工支援技術・性能診断支援技術を確立することを目的として、3つのモニタリング計画を実施している。 多数台(100数十件規模)の太陽光発電システム計測を基にした運転データ解析を用いて、太陽光発電システムの実環境性能を明らかにし、システム設計に利用可能なシミュレーション技術を開発している。
 モニタリング計画としては、[表1] に示すとおり、日本品質保証機構(JQA)から引き継いだ全国100件モニター(平成9年度〜)、及びJETによる複面対応詳細モニター(平成13年度〜)、AISTによる 発電性能診断ネットワーク(平成14年度〜)の3計画を有している。
 シミュレーション技術の開発には全国100件モニターの分析結果を用いており、成果の一部は、太陽光発電システム普及の総合支援Webサイト「PVSystem.net」 にてバーチャル・ソーラハウスとして既に公開している。データベースにて計測値の一部も公開している。複面対応詳細モニターのデータの蓄積を待った上で、これらの分析によって太陽電池アレイ動作点の動特性を考慮したモデルを開発する予定である。 発電性能診断ネットワークは、上記シミュレーション技術の妥当性を検証するため、発電計測値とシミュレーション値をリアルタイムに比較し、発電性能を診断するという新しい実験場を提供している。

  

[表1] JET-AISTによる太陽光発電システムのモニタリング計画一覧
全国100件モニター(平成9年度開始) by JET
 
  • 日本品質保証機構(JQA)から引き継いだモニタリング計画
  • 全国規模・長期に渡る運転データを用いた統計的性能評価
複面対応詳細モニター(平成13年度開始) by JET
 
  • 複ストリングの電流計測と複方位の日射計測を追加し、太陽電池アレイ(DC)側の詳細分析を可能とすること
  • 連系点電圧を計測し、系統(AC)側の影響評価を行うこと
発電性能診断ネットワーク(平成14年度開始) by AIST
 
  • 太陽光発電システムのリアルタイム計測とシミュレーション技術を統合することにより、発電性能を診断可能なモニタリングシステムを開発
 

 発電性能診断ネットワークは、一般募集したボランティアの太陽光発電システム13件とAISTの太陽光発電システム2件で構成されている(2003年1月末現在)。 これら合計15件の被験システムには専用の計測装置が取り付けられ、システムの運転状態に関する情報(太陽電池運転電圧・太陽電池運転電流・システム運転電圧・システム発電電力)が1分毎にAISTの中央サーバへ送信されている。 発電性能診断ネットワークの装置構成を [図1] に示す。
 

図1 太陽光発電システム発電性能診断ネットワークの装置構成
[図1] 太陽光発電システム発電性能診断ネットワークの装置構成



 現在、発電性能診断ネットワークを構成している太陽光発電システムについては、毎日夜間に計測値の統計処理を行い、発電量日報の電子メールをオーナへ配信している。 
オーナに対しては発電量のトレンドグラフをバーチャル・ソーラタウンから閲覧可能とし、計測値のダウンロードも行えるようにしている。 これらの機能の一部を、バーチャル・ソーラタウンのリアルタイム測定見学のページからオーナ以外でも試すことが可能である。 [図2] に、発電性能診断ネットワークに参加している協力システムの関東分布地図を示す。
この他、三重県、奈良県、鹿児島県に協力システムが1件ずつあり、平成14年度末には合計22件のシステムによるネットワークが完成する予定である。

 

図2 太陽光発電システム発電性能診断ネットワークへの協力システムの分布地図(関東)
システム地域分布(見込み含む)
都道府県 件数
茨城県 9
埼玉県 5
東京都 3
神奈川県 2
三重県 1
奈良県 1
鹿児島県 1
22

 

太陽電池メーカ分布
メーカ名 件数
シャープ 11
クボタ 5
三洋電機 3
京セラ 1
BP Solar 1
[図2] 太陽光発電システム発電性能診断ネットワークへの協力システムの分布地図(※関東)

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